きりりと冷たい空気、静かな町、まだ薄暗い駅に滑り込む始発列車。

日の光を反射する田んぼ。

開いたばかりのキオスクでパンとお茶を買う。

ホームに向かう階段が、唐突に人で埋まる。パンを抱えたまま、ドアに飛び込む。

腹が減って目眩がしてくる。

電車は長いトンネルを走る。
トンネルの中で速度を落とし、暗闇が終わって直ぐにドアを開く。
空腹に耐えかねて降りる。

誰もいないホームで、パンをかじる。